罪と愛
「まさかこの年で身バレするなんて…脅されるくらいなら本当に行こうかしら,海外」



この国にはもうなんの未練もないし,あけすけに言ってしまえば飽きた。 

どうせすることもいつも変わらない。

行動範囲が狭すぎて,それはもうこの国に住んでいるとはとても言えないと常々思っていたのだ。

唯一気に入っていた彼ともお別れしてしまったし…

あらやだ。

案外悪くない気がしてきたわ。

まぁ飛んでしまえば。

もう今みたいには出来ない。

それは分かってる。

他所の国の人間を相手にするには,自分の身が危ないから。

…? あんまり困らないかもしれないわ。

少しくらい悪戯も出来るでしょうし。



「脅すつもりなんてありません。だからここにいて」
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