罪と愛
先輩の情報を最初に耳にした時,俺は言葉を失った。

気持ちが変わることはなくても,別人かと思った。

けれど現実は,今の状況からも目の前にあって。

どうして先輩は変わったんだろう。

そんな事を思っていた。

ずっと長い間考えて,ここまでこぎ着けた。

先輩が欲しいのはなんだ。

先輩を救えるのは……"満たせるのは"



「もか……先輩」

「もかでい…んぅ…っ」

「俺ずっと,先輩の涙ぼくろ,ほんとに泣いてるみたいだと思ってました」



今よりはましだったけど,やっぱり幸薄そうな表情を浮かべてて。

連れ出したいって思ってた。



「な…に……? ちょっと,待っ…ぁ」

「…もかって,慣れてないみたいな反応するんですね。必死すぎません?」

「それは…っあなたが慣れすぎ…ひゃ……っぅ,ぁ」

「因みに,俺童貞ですよ」

「絶…対,うそ」

「ほんとです。もかの反応,見てるだけですよ」



そう言えば,言ってなかった。



「俺,もかのこと好きなんです」

「ふあ…っ……!!!」
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