大嫌いと言われた元カレに再会したら、息子ごと溺愛が待っていました
私は壁に掛けられた時計を見てため息をつく。もう二十一時だ。母が見てくれているから心配はないが、秀也が私を待っていると思うと罪悪感が募る。
昨日も帰ったのは終電間際。当然、秀也はぐっすりと眠ってしまっていて、連れて帰ることは叶わなかった。
私が仕事だとわかっているから寂しいとは言わなかったけれど、今日も遅いの? と聞かれて、ごめんねと答えるしかなかった。そこで、岩波さんに、次の契約更新で残業なしに変更してもらえないかと、契約変更を願い出たのだ。
すると、やはりというかなんというか、会社側は私の派遣契約を切ることを選んだらしい。
「贅沢は言えないんですけど、次は、なるべく残業がないところだと助かります」
「はい、承知しております。今度は田神さんの条件に合う勤務先を探しますので」
「今後とも、よろしくお願いします」
漏れそうになるため息を呑み込み、私も腰を折る。
また新しい環境に慣れるところから始めなければならないのかと考えると気が塞ぐ。
岩波さんと別れて自席に戻ると部長と目が合う。私の契約満了を決めたのが部長なのか、ばつが悪そうに目を逸らさせる。
会社の決定に不服を申し立てるつもりもないし、そんな時間もない。日々の生活と子育てでいっぱいいっぱいだ。恋愛をしている余裕さえなかった。
ただ、十年経った今でも、あの恋は一生ものだったと思える。
秀也は日に日に拓也に似てくる。秀也の笑った顔を見ているだけで、彼を思い出してしまう。私はきっと、いまだに拓也への恋心を昇華し切れていないのだろう。
昨日も帰ったのは終電間際。当然、秀也はぐっすりと眠ってしまっていて、連れて帰ることは叶わなかった。
私が仕事だとわかっているから寂しいとは言わなかったけれど、今日も遅いの? と聞かれて、ごめんねと答えるしかなかった。そこで、岩波さんに、次の契約更新で残業なしに変更してもらえないかと、契約変更を願い出たのだ。
すると、やはりというかなんというか、会社側は私の派遣契約を切ることを選んだらしい。
「贅沢は言えないんですけど、次は、なるべく残業がないところだと助かります」
「はい、承知しております。今度は田神さんの条件に合う勤務先を探しますので」
「今後とも、よろしくお願いします」
漏れそうになるため息を呑み込み、私も腰を折る。
また新しい環境に慣れるところから始めなければならないのかと考えると気が塞ぐ。
岩波さんと別れて自席に戻ると部長と目が合う。私の契約満了を決めたのが部長なのか、ばつが悪そうに目を逸らさせる。
会社の決定に不服を申し立てるつもりもないし、そんな時間もない。日々の生活と子育てでいっぱいいっぱいだ。恋愛をしている余裕さえなかった。
ただ、十年経った今でも、あの恋は一生ものだったと思える。
秀也は日に日に拓也に似てくる。秀也の笑った顔を見ているだけで、彼を思い出してしまう。私はきっと、いまだに拓也への恋心を昇華し切れていないのだろう。