大嫌いと言われた元カレに再会したら、息子ごと溺愛が待っていました
派遣契約満了が決まったからだろうか。
珍しく定時で帰っていいと部長に言われ、十八時過ぎに実家に着く。

「ただいま」
「お母さん、おかえりなさい!」
「秀也~ずっとほったらかしてごめんね。おばあちゃんのいうことちゃんと聞いてた?」
「あったり前じゃん! 宿題もやったし、ご飯も残さず食べたし!」
「偉い偉い! 学校はどう?」
「楽しいよ~今日はね、帰ってからゆうくんとゲームした!」

秀也はピースサインを作って、にかっと笑う。笑った顔は拓也にそっくりだ。癖のない真っ黒の髪も、目鼻立ちの整った顔も。高校時代の少年っぽさを残した彼を思い出させる。

「寧子、今日は早かったのね。良かったわ~秀也くんの勉強、私じゃちゃんと見てあげられなくて」

リビングには、私の分の食事が用意されていた。
母には本当に感謝している。父を亡くしてから秀也が生きがいだと言ってくれるけれど、子どもの面倒を見るのは楽じゃないだろう。

「お母さん、いつもありがとね。疲れたでしょう? ご飯食べたら私たちは帰るから、ゆっくり休んで」
「そうさせてもらおうかしら。歳を取るとだめね、体力がどんどんなくなっちゃって。でもあなたも無理をしないのよ? なにかあったらすぐに言いなさいね」
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