23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
窓から、差し込む朝日に照らされて、朝が来たことを感じたまま、私は、聴こえてくる、自分以外の鼓動の心地よさに、身を任せていた。

眠ったことのないような、ふかふかのベッドに自身の身体に回された、男の人の両腕にひどく安心する。 

「……ん……」

(なんて……いい夢……)

伸ばした左手は、筋肉質な、大きな背中に触れる。夢見心地で、瞼を開けて、私は目の前の、颯の寝顔に思わず、小さく悲鳴を上げた。

「きゃっ……嘘……」

あっという間に、後ろにずり下がり、落っこちそうになった私を、颯の両腕がぎゅっと抱きしめなおす。

「美弥……いい匂いすんのな」

颯を見上げれば、瞼は閉じたまま、私の首元に顔を埋めてくる。

「ちょっと……どういう……」

自身の服の乱れは、ないように見えるが、颯は上半身裸だ。ベッドの端には、ミャーが小さく丸くなって眠っているのが見えた。

(これって……まさか……世で言う一夜限りの……)
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