23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜

「痛くしたくないから」

颯は、唇で涙を掬うと、私の両手を縛り上げていたネクタイをそっと外した。 

「颯……?」

「手首痛くない?」

元々緩くしか縛ってなかったのだろう。私の両手首は、傷どころか、ほとんど跡もついてなかった。

「痛くないよ……」

それだけ答えただけで、また涙が溢れてしまう。

「泣かなくていいから」

颯が、私の髪を漉くように何度も撫でる。そして、愛おしそうに、優しく、そっと私の頬に触れる。

「俺だけ見てよ」

そして、颯は、私を真っ直ぐに見つめてから、初めて、その言葉を口にした。


ーーーー「美弥が、好きだよ」


どうしようもなく想いが溢れていく。

私も颯が好き。好きで好きで、どうしたらいいのか分からないの。

「颯……私……」

私も、好きだよと言いたいのに。それなのに言葉より先に出てくるのは、いつも涙だ。

颯の唇が、私の唇を優しく包む。それはすぐに深くなって、このまま、颯とずっとこうしていたくなる。

「アッ……」

ふいに、下半身に僅かな痛みと、共に、自分の中に入ってきた異物感に体が震えた。

「い……たっ……颯……」

「指、ゆっくり動かすから、俺とのキスに集中して」

颯の言葉の意味を理解するより先に、颯の唇が、私の唇を塞いで、甘い蕩けるようなキスが繰り返されていく。
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