23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
★さっき僅かに痛んだ、下腹部は、あっという間に心地よさが上回り、キスの間に、聞かれては恥ずかしい声が、僅かに漏れ出す。

「あっ……あっ……やぁ」

恥ずかしさに耐えきれなくて、自分の口を掌で押さえ込んだ。

「声我慢すんな」 

颯が空いている方の掌で、私の口元に当てている掌を掴み上げると枕の横に縫い付けて、指を絡ませた。

「恥ずか……しい」

「俺しか見てないから。俺がそうさせてるから」

自分が乱れている状態が恥ずかしくて堪らなくて、颯を見上げながら、辛うじて、小さく頷いた私を、颯が、安心させるように、ぎゅっと抱きしめた。

「ゆっくり、動かすから……」

私のナカに入った、颯の指先が少しずつ、より奥へ、より強く動かされて、お腹の奥に熱が溜まる。

「アッ……颯っ……待って……なんか……ヘン」

「大丈夫だから」

颯の指先の抽送が速くなって、いやらしい水音が耳に響く。お腹の中の奥にぎゅうっと溜まった熱が、颯の指先で外へと、その快楽を導いていく。

「アッ……待っ……ダ……メッ……やぁっ!」

身体が、大きく跳ねたと同時に、お腹の奥から迫り上がってきた熱いモノが、ふわりと外へと弾け飛んだ。目の前が真っ白になって、ふわふわしながら、颯の声が、くぐもっていく。

すぐに、薄らいでいく意識の中で、伸ばした両手は、颯が、私の身体ごと、ぎゅうっと包みこんでくれるのが分かった。


「美弥、あの時から、ずっと忘れられなかった……」

ーーーーこれは、もう夢の中だろうか。手放した意識の中で、颯のそんな言葉が、聞こえた気がした。
< 103 / 145 >

この作品をシェア

pagetop