23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「お先に失礼致します」
事務所に並んでいるタイムカードの中から『綾乃美弥』と書かれた自分のタイムカードに退勤時間を印字して、制服のシャツをロッカーに掛けると、私は、長瀬店長に挨拶をする。
「あ、美弥ちゃん、これ、どうぞ」
長瀬店長が、コンビニ袋に、賞味期限切れのパンと飲み物を入れて、私に手渡した。
「いつもすみません……本当はダメなのに」
「廃棄するだけだから、それに美弥ちゃん、頑張ってくれてるからさ。こんなことしかしてあげられないけど」
人の良さそうな垂れ目を、申し訳なさそうに下げながら、長瀬店長が、小さく手を振った。
「気をつけてね」
「はい、ではまた明後日」
従業員出入り口から、外に出れば、藍の空には満点の星が輝いて、満月が優しいオレンジ色の光を仄かに放っている。
私は、コンビニ袋をぶら下げながら、いつものように築50年の1DKの一人暮らししているアパートに向かって、歩いていく。
事務所に並んでいるタイムカードの中から『綾乃美弥』と書かれた自分のタイムカードに退勤時間を印字して、制服のシャツをロッカーに掛けると、私は、長瀬店長に挨拶をする。
「あ、美弥ちゃん、これ、どうぞ」
長瀬店長が、コンビニ袋に、賞味期限切れのパンと飲み物を入れて、私に手渡した。
「いつもすみません……本当はダメなのに」
「廃棄するだけだから、それに美弥ちゃん、頑張ってくれてるからさ。こんなことしかしてあげられないけど」
人の良さそうな垂れ目を、申し訳なさそうに下げながら、長瀬店長が、小さく手を振った。
「気をつけてね」
「はい、ではまた明後日」
従業員出入り口から、外に出れば、藍の空には満点の星が輝いて、満月が優しいオレンジ色の光を仄かに放っている。
私は、コンビニ袋をぶら下げながら、いつものように築50年の1DKの一人暮らししているアパートに向かって、歩いていく。