23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
見慣れたキングサイズベッドには、美弥がペンギンのぬいぐるみを抱きしめながら眠っている。
「楽しかったな」
あんなに楽しくて、笑ったのは、久しぶりかもしれない。
美弥と居ると、心が安らぐ。それにデートらしいデートは、俺も初めてだった。美弥には、言わなかったが、動物園に行ったのも、俺は、初めてだった。小さな頃は、母親と二人暮らしで、暮らしは豊かとは言えなかったから。
たった大人一枚800円のチケットは、美弥と手を繋いで、美弥のはしゃぐ笑顔を見て、キスをして、あんなに、心があたたかくて、幸せな気持ちにさせてくれた。
ーーーーそれは全て、美弥のおかげだ。
「……颯?」
閉じられていた筈のまつ毛は、俺がベッドに入ろうとしたスプリングの音で、僅かに開いた。
「ごめん、起こしたな」
軽く目を擦りながら、美弥が、俺の方に横向きに体制を変えた。化粧を落とした美弥は、年齢より、少し幼く見える。
「……颯、今日はありがとう、楽しかった」
「俺も楽しかった」
俺も美弥と、向かい合うようにゴロンと寝転んだ。
「楽しかったな」
あんなに楽しくて、笑ったのは、久しぶりかもしれない。
美弥と居ると、心が安らぐ。それにデートらしいデートは、俺も初めてだった。美弥には、言わなかったが、動物園に行ったのも、俺は、初めてだった。小さな頃は、母親と二人暮らしで、暮らしは豊かとは言えなかったから。
たった大人一枚800円のチケットは、美弥と手を繋いで、美弥のはしゃぐ笑顔を見て、キスをして、あんなに、心があたたかくて、幸せな気持ちにさせてくれた。
ーーーーそれは全て、美弥のおかげだ。
「……颯?」
閉じられていた筈のまつ毛は、俺がベッドに入ろうとしたスプリングの音で、僅かに開いた。
「ごめん、起こしたな」
軽く目を擦りながら、美弥が、俺の方に横向きに体制を変えた。化粧を落とした美弥は、年齢より、少し幼く見える。
「……颯、今日はありがとう、楽しかった」
「俺も楽しかった」
俺も美弥と、向かい合うようにゴロンと寝転んだ。