23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
★「さっきの話……大丈夫?」

美弥が、訊ねにくそうに、小さな口を開いた。

(さっきの話か……美弥が何処から聞いてしまったのかわからないが、美弥に、今話すのは性急だ)

「さっきも言っただろ。何も心配いらない」

「私、颯の側に居てもいいの?私、取り柄もないし、何にも持ってないのに……」

「美弥は、他の女が持ってないもの持ってるから」

月明かりに照らされて、パジャマの胸元から見える美弥の白い肌と同じボディーソープの匂いに、引き寄せられるように、俺は、思わず美弥の唇に指先で触れた。

「キスしていい?」

たとえ嫌だと言われても、キスしない選択肢なんてないくせに。

小さく頷いた美弥が、目を閉じる前に、俺は唇を重ねる。 

「ンッ……」

美弥の身体が僅かに跳ねて、それが、俺を欲情させる。

重ねた唇は、触れただけじゃ物足りず、もっと深く喰むように重ねていく。
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