23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「颯っ……コワ……イ……やめ……」

見れば、美弥の大きな瞳からは涙がポロポロと溢れて、小刻みに震えている。

「颯……お願い…………ひっく……」

慌てて指先を、美弥の中から引き抜いて、そのまま、俺は、美弥を抱きしめた。

「ごめん……」

美弥は、首を振る。

「颯は……悪くない、……の……急にコワくなっ……て」

「俺も焦りすぎた……美弥が欲しくて」

美弥の涙をそっと指先で掬ってやる。美弥が俺の瞳を濡れた瞳で見つめた。

「嫌いに……ならないで」

「ばか。なる訳ないだろ」

「本当?……ちゃんと、できなくて……ごめんなさ……ひっく……」

俺は、美弥の頬に触れて、目線を合わせた。

「俺、美弥の身体目当てで、婚約者になってって言ったんじゃないって言ったよな?」

小さく頷くと、また美弥の瞳から涙が溢れた。

「……ゆっくりでいいからさ、俺は、美弥の心の方が欲しいから」 

「颯聞いて、私ね……」

「どした?」

「颯の事がもっと知りたい。私の事ももっと知って欲しいの」

俺は、美弥のおでこに額をコツンと寄せた。
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