溺れるくらいの恋を…君に
時間が、21時を過ぎた頃━━━━━━

水瀬から電話がかかってくる。
「あ、水瀬から?
俺がメッセージ入れといたから」

「あ、はい」
「終わったのかもな。
出ていいよ」

百合愛はスマホを持ち、一度外に出て通話ボタンをタップした。
「もしもし?」
『百合愛!?
冬臣といるってほんと!?』

「うん、話し相手になってくれてて━━━━━━」
『今何処!?何処にいる!?』

「え?
あ…水瀬くんの会社近くの◯◯って言うカ━━━━━」
『すぐ行くから!そこで待ってろよ!!?』
一方的に言われ、切られた。


そしてわずか3分程して━━━━━━━
「百合愛!!?」

カフェの入口のドアを開けるや否や、名前を呼ぶ水瀬。
「あ、水瀬く━━━━━」
そしてあっという間に駆けてきて抱き締められた。

「冬臣になんかされてない?」
「え?
なんかって?」

「水瀬!俺がお前の女に手を出すと思う?」

「わかんねぇだろ!?
百合愛は可愛いから!」

「━━━━━水瀬くん!」
「あ…百合愛」
「大丈夫だよ!
ほんとに話を聞いてもらってただけ!
それに………私なんかに手を出す人なんていないよ?(笑)
私が、可愛い子とかならわからないけど(笑)」

「だから!百合愛は可愛いの!」

「フフ…ありがとう!水瀬くんにそう言ってもらえると嬉しい!」
百合愛が微笑むと、水瀬も自然と笑顔になる。

「つか!」
「あ?なんだよ」

「イチャイチャすんなら、家でやれ!
俺は帰るから!」

「あー帰れ帰れ!」

「あ、山城さん!
ありがとうございました!」

「うん。
あのさ!
━━━━━水瀬にもっと甘えなよ!」
「え?」

「百合愛ちゃんは、もっと甘えることを覚えた方がいいと思う!
水瀬は、百合愛ちゃんの“彼氏”だろ?
元彼が彼氏じゃなかったってだけ!
きっと水瀬なら、百合愛ちゃんの不安や苦しみを“安心”に塗り替えてくれる!
水瀬を信じろよ!」

「山城さん……
はい!ありがとうございます!」

後ろ手に手を振り去る冬臣に、百合愛は頭を下げた。

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