好きって言ってもいいですか?
講堂の扉に手をかける。




ギギッと古い音が聞こえる。




講堂の中は静まりかえっていて




少し埃っぽくもある。




歩くときゅっきゅっと音が足元から鳴る。




講堂の舞台ソデに近づく。




「昌?」




そこには、高野がいた。




何かあればここで待ち合わせした。




自分自身が変われたキッカケを作ってくれた




彼女との思い出はいつもここにあった。




初めて肌を重ね合わせたのもここだった。




「昌、よかった。来てくれて」




彼女の表情は昔のままなのに・・・




お互いが子供すぎた、アノ頃。




もう・・・・




お互いに解放したい・・・




したほうがいい・・・
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