green mist      ~あなただから~
「えっ。どうして? まだ、俺を信じられない?」

「いいえ。この約束は自分が安心したいだけの物だから…… 約束を守ってもらう事でしか、信じられないなんて、おかしいでしょ? 
私が、真央さんの傍に居たいんです。約束なんてなくても、お互いを思い合えたら幸せだなって……」

 約束をする事は、悪い事じゃないと思う。時には必要な時もある。でも、今の私達には、自分の気持ちを伝える事、相手の気持ちを知る事。そして、二人で選択していく事だと思うから……


「香音…… 参ったな…… 香音の方が大人だな……」

「ええ、私、まだ成長期なので、これから、もっと大人に成長しますよ」

 彼の胸の中でふっと笑った。


「俺も、気合いれないとな」

「真央さん、自分の事、俺って言ってますね」


「そうだね…… 落ち着いた大人だけを見せようと思っていたけど、無理みたいだ。香音には、どんな姿見せてもいいんじゃないかって思えたから……」

「飲み過ぎた姿は、あまり見たくないですよ」


「いいんだよ。香音が居なければ、こんなになってしまうって、知っていて欲しいから……」

「はあ…… 困りしたね…… 私だって、甘えたい時あるんですよ……」

 眉間に皺寄せて彼を睨んだ。


「勿論、大歓迎だ」

 彼の額と、私の額がコツンと重なった。

 そのまま唇が重なる。優しい、優しいキスだ……


「香音……」

「はい」

「僕と、結婚してくれないか?」

 心臓が止まるかと思った。


「えっ? まだ、酔いが回っているみたいですね」

「おい。酔って言っているんじゃない! 本気だ!」


「じゃあ、明日、酔いが冷めたら、もう一度、言って下さい。勿論、私も真央さんとずっと一緒にいたいです」

 真央さんが酔った勢いで言ったとは思わないが、明日になったら夢だったなんて事もあるかもしれない。

「本当に?」

「はい」

 真央さんを見ると、泣きそうな顔で私を抱きしめていた。
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