green mist      ~あなただから~

green mist

 ~真央~

 シュッ、シュッ

 外からの風に白いカーテンが揺れて、窓から入ってくる朝の陽ざしが少し眩しい。

 仕事をするふりをして、横目で香音の姿を探す。
 観葉植物達に、まるで話しかけているかのように、丁寧に葉をめくっている。

 彼女は霧吹きを手にして、緑の葉を潤わせた。一瞬、辺り一面が霧で覆われる。

 俺も一緒に、胸の中から潤ってくるのが分かる。まるで、魔法がかかったみたいに。


 彼女は、俺の方を見て、にこりと微笑んだ。

 多分、彼女を始めてみた時に、俺は、魔法にかかってしまったんだろう……


 彼女だから…… 楽しくて仕方ない。

 彼女だから…… どんな事があっても守りたい。

 彼女だから…… 愛するという事を知った。
 

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