green mist ~あなただから~
二人の関係
~香音~
今にも泣きそうな顔で見送られ、彼の車に乗り込んだ。
あの時、私の危険を察知して、必死で彼に伝えてくれたのは良介くんだった。感謝しても感謝しきれない。今回、良介くんをはじめ銀行の人達、そして彼にも本当に迷惑をかけてしまった。
今回も、お礼に銀行と良介くんの家に行くと言ったら、時川さんは一緒に付いてきてくれた。
「今日は、ありがとうございました。お仕事、お忙しいんじゃ?」
ハンドルをにぎる彼に言った。
「いいえ。大丈夫ですよ。気にしないで」
彼は、私に向かってニコリと微笑んだ。あの事件以来、彼は連絡をよくくれる。警察への届や、色々な事を一緒にやってくれた。
「一番に、お礼をしなければいけないのは、時川さんなのに後になってしまって申し訳ないのですが、お礼に食事をごちそうさせてもらえませんか?」
彼は、少し驚いたように私を見た。
「偶然だ。僕も食事に誘おうと思っていたんですよ。何が食べたいものあるかな?」
気のせいだろうか? 彼の敬語が少し減った気がする。よく考えれば、年下の私に敬語が不自然で、距離を感じていた。だから、ちょっと嬉しいけど…… ドキドキしてしまう。
「あの、私がお礼をするのですから、時川さんの好きな物を言って下さい」
「そんな事、簡単に言わない方がいいよ。僕、結構高級志向だから……」
「げっ」
思わず、変な声が出てしまった。
「あははっ。ウソウソ。僕の知り合いが、居酒屋始めたんだ。今日は、快気祝いに、僕がおごるから心配しないで」
「でも……」
「これだけは言っておく。僕は、女の子にお金を出させる事はしない。特に、あなたにはね。お礼は、また、別の物考えてくれる?」
「えっと……」
今にも泣きそうな顔で見送られ、彼の車に乗り込んだ。
あの時、私の危険を察知して、必死で彼に伝えてくれたのは良介くんだった。感謝しても感謝しきれない。今回、良介くんをはじめ銀行の人達、そして彼にも本当に迷惑をかけてしまった。
今回も、お礼に銀行と良介くんの家に行くと言ったら、時川さんは一緒に付いてきてくれた。
「今日は、ありがとうございました。お仕事、お忙しいんじゃ?」
ハンドルをにぎる彼に言った。
「いいえ。大丈夫ですよ。気にしないで」
彼は、私に向かってニコリと微笑んだ。あの事件以来、彼は連絡をよくくれる。警察への届や、色々な事を一緒にやってくれた。
「一番に、お礼をしなければいけないのは、時川さんなのに後になってしまって申し訳ないのですが、お礼に食事をごちそうさせてもらえませんか?」
彼は、少し驚いたように私を見た。
「偶然だ。僕も食事に誘おうと思っていたんですよ。何が食べたいものあるかな?」
気のせいだろうか? 彼の敬語が少し減った気がする。よく考えれば、年下の私に敬語が不自然で、距離を感じていた。だから、ちょっと嬉しいけど…… ドキドキしてしまう。
「あの、私がお礼をするのですから、時川さんの好きな物を言って下さい」
「そんな事、簡単に言わない方がいいよ。僕、結構高級志向だから……」
「げっ」
思わず、変な声が出てしまった。
「あははっ。ウソウソ。僕の知り合いが、居酒屋始めたんだ。今日は、快気祝いに、僕がおごるから心配しないで」
「でも……」
「これだけは言っておく。僕は、女の子にお金を出させる事はしない。特に、あなたにはね。お礼は、また、別の物考えてくれる?」
「えっと……」