愛を欲しがる幼なじみは可愛い妻と我が子を手に入れたい
「朔君、こ、こんにちは!」

 玄関先で出迎えていた私は、そわそわしてドキドキして、とにかく落ち着かなかった。

「お邪魔します。午前中に実家と文月家には顔出ししてきたんだ。恵、結婚おめでとう」

 朔君は私を見るなり、優しく微笑みかけてくれる。

 大人になった今でも、優しい笑顔は変わってなく、胸がきゅんとする。

「あ、ありがとう。どうぞ、上がってください」

 緊張してしまい、ぎこちない対応をしてしまう。

 私はドキドキして、まともに朔君の顔が見れない。

 幼い頃はこんなことはなかったのにな。

「これ、お土産……というか、俺の奥さんからです。実家と文月家にも置いてきたから、これは二人の分」

 手渡された紙袋はずっしりと重い。

「奥さんね、おすすめの洋菓子か和菓子か迷って、両方用意したみたい。洋菓子の方が日持ちするから、和菓子を先に食べてね」

「ありがとう! 嬉しい!」

 紙袋の中には箱が二つ入っている。

 早速、叶が食べたいと言ったので開けてみることにした。

 和菓子は、自分で最中に餡を挟んで食べるタイプのもので美味しそうだし、楽しそうだ。
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