2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
少しして着いたのは、高級ホテルだった。
そのまま、高層階にあるフレンチレストランへ連れていかれる。

「企画が採用されたご褒美だ」

「あ、ありがとうございます」

個室に案内され、スタッフに椅子を引かれたので座る。
これって、もしかして。

「この服も部長のプレゼントですか?」

「バレたか」

くすくすとおかしそうに部長が笑う。
紺地に白襟のついたクラシカルなワンピースは部長が好きそうなデザインだし、ここに来るためならこれに着替えさせられたのも納得だ。

窓の外のオレンジに夕闇が混ざりるのを眺めながら、ゆっくりと夕食をいただく。

「商品の大ヒットを願って」

「まだ早いですよ」

苦笑いでシャンパンのグラスを持ち上げ、乾杯する。
今日は部長も飲んでいるけれど、いいのかな。

「明日美は本当にいい女になったな」

眼鏡の向こうで目を細め、部長がうっとりと笑う。

「だと、いいんですが」

確かに今日の自分なら、見た目は姉に負けず劣らずだろう。
でも中身は?
ビジネススキルは格段に上がったと思う。
でも、響希ちゃんみたいに小さな女の子にまで嫉妬しているなんて、まだまだだ。

「俺が言うんだから間違いない」

ふふっと小さく笑い、部長がグラスを傾ける。

「……ありがとうございます」

頬が、熱い。
心が、ふわふわする。
……でも。
私の気持ちを聞く気すらないのなら、こうやって惑わさないでほしい。
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