甘い災厄

ああ、普通の人間じゃないんだって――それが、ずっと、まつりは、怖いんだね。
ぼくから拒絶されるんじゃないかって。
そんなの、関係ない。
ぼくはまつりを拒絶したりしない。

まつりを抱き締めた。
自分から、こうやって抱きつくのは、二回目だ。
「ななと?」

まつりは、潤んだきれいな目で、不思議そうにぼくを見つめる。
やがて、背中に手を回して、抱き締め返してくれた。

「ななと……」

「ばか。ぼくは、他と、比べたりしない。まつりは、まつりだから、大切なんだよ」

「ん……」

まつりは、すり、と頬を擦り寄せてくる。
少し涙目だったが、そこには触れなかった。

「家に帰ったら、またしてほしいと思うくらい?」

「……」

忘れてた。
まつりはデリカシーが欠如してる。

「ぼくはもう、まつりじゃないと、満足できない身体になってきた」

「ん……」

ぼくが冗談半分(半分事実)で言うと、まつりは少し嬉しそうに笑った。
「帰ってからも、いっぱいしよーね」

「……うん。でも、恥ずかしいのは、恥ずかしいから、録らないでもらえないかな?」

「やだ」

拒否された。

「………………うん」


破壊しよう。


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