【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?

けど、これだけはハッキリさせておかねばならないだろうと考えたわたしは、真面目な顔をしてアスター王子に告げた。

「アスター王子」
「……なんだ?」

うなだれたままのアスター王子はかわいいけれど、きちんと話は聞いてくれているだろう。わたしのいつもと違う声音で、彼は顔を上げてこちらを見た。

「ピッツァさんからは他にも色々とお聞きしました。夫婦生活の具体的な詳しい内容を。……自分にとってはかなりの衝撃で、まったく無知であったことを実感しました」
「……そうか」

やっぱり、アスター王子はあっさりとそう返すだけ。
一見まったく興味なさげにも見えるけれど、それが彼なりの配慮なのだとわたしは知ってる。
成人間近までまったくそういった知識が無いなんて、人によってはからかったりあざ笑ったりするだろうし、馬鹿にしたり困惑するかもしれない。
でも、アスター王子は絶対そんな事はしないんだ。

わたしには特に甘い気がするけれど、わたしだけじゃない。どんな立場の人間にも相手を尊重する。決して軽んじたり見下したりしないし、一方的に理不尽な事は言わない。

(そうだ……わたしは……そんな彼だから好きになったんだ)

改めてそう実感して、胸にじんわりとあたたかいものが広がった。





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