【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
レスター王子は両手を天に向けて大げさに広げる。
「おや、愛しいハニー。ボクの美しさや優しさに感動して言葉が出ないんだな!そうかそれなら仕方ない…」
「いや、単に呆れて言葉を失ってるだけですが」
あ、いけない。ついつい本音が口から漏れてしまった。
でも、とわたしはレスター王子に向けた短剣を構えたままにした。彼の周囲から、よからぬ気配を感じる。
光り輝くアホな王子はたぶん、いつもどおりなにも考えて無い。彼にとっての平常運転だろうけど……
おそらく、それを利用された。
『ミリュエール』
「ブラックドラゴン!この気配は…」
短剣を通じてブラックドラゴンからの呼びかけがあり、すぐに応じた。
『気をつけろ!敷地内に魔性の結界が張られた』
「結界!?……あ!」
ブラックドラゴンの警告を受けて、さらに警戒をすると……よくよく見れば、わたしとレスター王子の周囲の景色が一変していた。
月明かりすら消えた、完全な暗闇。
寮に戻る道どころか、地面や建物周囲の木々すら消えている。
ナルシスト王子がキラキラ輝いてなかったら、たぶん周囲の状況の把握に苦労したかもしれない。
「これは…一体」
油断なく周囲の様子を窺いながらブラックドラゴンに問えば、彼はこう告げてきた。
『異空間だ。魔術により、異なる次元に連れ去られたのだ。脱出は安易でないぞ』
「おや、愛しいハニー。ボクの美しさや優しさに感動して言葉が出ないんだな!そうかそれなら仕方ない…」
「いや、単に呆れて言葉を失ってるだけですが」
あ、いけない。ついつい本音が口から漏れてしまった。
でも、とわたしはレスター王子に向けた短剣を構えたままにした。彼の周囲から、よからぬ気配を感じる。
光り輝くアホな王子はたぶん、いつもどおりなにも考えて無い。彼にとっての平常運転だろうけど……
おそらく、それを利用された。
『ミリュエール』
「ブラックドラゴン!この気配は…」
短剣を通じてブラックドラゴンからの呼びかけがあり、すぐに応じた。
『気をつけろ!敷地内に魔性の結界が張られた』
「結界!?……あ!」
ブラックドラゴンの警告を受けて、さらに警戒をすると……よくよく見れば、わたしとレスター王子の周囲の景色が一変していた。
月明かりすら消えた、完全な暗闇。
寮に戻る道どころか、地面や建物周囲の木々すら消えている。
ナルシスト王子がキラキラ輝いてなかったら、たぶん周囲の状況の把握に苦労したかもしれない。
「これは…一体」
油断なく周囲の様子を窺いながらブラックドラゴンに問えば、彼はこう告げてきた。
『異空間だ。魔術により、異なる次元に連れ去られたのだ。脱出は安易でないぞ』