【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
「ありがとう、ブラックドラゴン。お陰でわたしもアクアも助かった」
わたしがお礼を言うと、ブラックドラゴンは《いや、遅くなってしまったな》と返してきた。
《奴らが準備した計画は用意周到であった。まぁ、我ら同胞が踏み潰してやったがな》
少しだけ得意そうに見えて、なんだかちょっと可笑しい。思わず「ふふっ」と口元がほころんでしまった。
《む……なにか笑われた気がするが》
「ううん、別に。ブラックドラゴン、駆けつけてくれてありがとう。あなたが来れば百人力だ」
チラッと眼下を見ればアスター王子が呪術師のゴーレムに剣で立ち向かい、マリア王女が魔術で援護をしている。フランクスは2人をゴーレムたちから護る役割を果たしていた。
「ミリュエール、援護するわ。あの溶岩の人形を倒しましょう」
アリシアお祖母さまがバーミリオンとともに飛来して、そう告げてくださる。
「はい!よろしくお願いします」
空中戦で竜騎士はこの上なく頼りになる。心強い援軍を得て、わたしたちは炎獄のケルンへ再度立ち向った。
お祖母さまと叔母様方はケルンの額へ向かい総攻撃を始める。加えて、ドラゴンのブレスや魔法攻撃も成された。
そうすると、ケルンも無視できないのか口だけでなく額からも熱光線を放つ。二重の熱光線があちこちに放たれるが、それこそ宝石の位置を知るための攻撃。お祖母さまたちの思う壺だった。