シンデレラには····程遠い••その後

絢斗····

二階堂さんの航空券を手配して
渡した。
北海道で、我が社が経営している
ホテルが英会話の堪能な人材を
探していたから
そちらも踏まえてお願いした。

行く、行かないは、二階堂さんが
決めたら良い。

彼女は、少し強制しないと
遠慮しすぎると思ったのだ。

快斗の為に支払っただろう
金額は不明だが
そちらも無理矢理渡した。

彼女は、
「いつか快斗君が
私の事を訊ねた時に
渡して下さい。
本当に申し訳ありませんでした。」
と、封筒を俺に渡しながら
頭を下げる二階堂さん。

後は、彼女の部屋を全て空にした。
彼女の名誉のためにも
大学側とも話した。

そして、そのやりすぎた
生徒達を調べ上げて
大学に知らせた。

「一人の女性の人格を傷つけて
アメリカから去らねばならなくした事。
デリバリーの事。
誹謗中傷の事。
大学側がきちんとやらないなら
こちらも考えがある」
と、学長と話しをした。

大学側もやり過ぎを認め
主犯格の生徒は退学とし
デリバリー代をわかる範囲で払わせた。

残りの生徒は、停学や反省文の
処分となった。

絢斗は、こんなものでは
すまないだろうが
とりあえずは、一段落をした時に
快斗が目を覚ました。

幸か不幸か
快斗は、美也子さんの事を
忘れていた。

美也子さんが居なくなった事で
快斗の中で壊れてしまった脳?が
美也子さんを初めから
いない者にした。

絢斗は、今はこれで良いと
思っていた。

快斗は、単位も全て取っていたので
直に院に進ませ
時間があれば会社の仕事を
覚えさせた。

潤も同じで、卒業までの間は会社で
仕事を覚える。

美也子さんから、
無事に北海道に着き
ホテルで勤務しています。
本当にありがとうございました。
と、電話があった。

美也子さんには、快斗の話も
大学の話も何もしていない。

快斗にも同じである。
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