シンデレラには····程遠い••その後

絢斗·····

弟・快斗から
「会って欲しい女性がいる。」
と、言われた。

快斗より五歳年上の日本人女性
物静かで綺麗な顔立ちをしていた。

快斗も俺もモテる
だが、快斗自身が自分から
好きになった女性は、
この二階堂さんだけだ。

俺は、何も言う事はなかった。

交際も二年が過ぎ
快斗も大学四年になった時

俺は、二階堂さんに呼ばれた。

彼女には、何かあったら
連絡をくれる用に伝えていたが
今まで、一度もなかった。

快斗は、試験中で不在だと言う
二階堂さんは、
前回合った時とは、別人の用だった。

何が、合った?
快斗は、一体、なにを?

彼女、二階堂さんは、
快斗は、何度も訊ねてくれた
と、言っていたが·····

今までに自ら女性を
愛した事がなかった····快斗····

そんな····快斗に取って
  全てとなった彼女····

彼女しか見えてなかったんだ
馬鹿な···やつ···だ······

彼女は、ここ一年
快斗の取り巻きから
嫌がらせを受けていた
それも度を越している

女は、陰湿な所がある

ハーバード大学の学生課に
誹謗中傷のメールや手紙を送り

頼んでもいないの
ピザやデリバリーが
何十個も毎週届いたり

マンションに住む人達にも
有ること無い事をポストに
投函したり

最初は、我慢していたが
益々、エスカレートしていく。
これ以上は·····と
「弱い人間で、申し訳ありません。」
と、泣く彼女に

「本当に、申し訳ありません。」
と、言う俺に
「快斗君と付き合う時に
考えなかったわけでは
なかったのですが。
本当に、年上なのに
申し訳ありません。」
と、肩を振るわせながら
泣く二階堂さん。

「いいえ。
こちらこそ、本当に申し訳ありません。
決して快斗かばうつもりでは
ありませんが。
あいつに取ってあなたとの恋は
初めての経験なんです。
あいつは、今まで人を本気で愛した
事がありませんでした。
あなたが初めて心から
愛する女性だったのです。
だからといって
あなたがこの様になっている
事に気付かなくて良い事には
なりません。
浮かれていたのです。
馬鹿な奴です。」
「お兄さん。
快斗君を叱らないで下さい。
私は、本当に彼に大切に大事に
してもらいました。

私も·····いえ······

藤堂さん、私はここを離れます。

もう、快斗君には会いません。

姿を消す事をお許し下さい。
大学側には、辞める旨は伝えています。」
と、言う二階堂さんに
「わかりました。
後はこちらでやります。
日本へ戻られるのですね。」
と、言うと
ハッとした顔をされたが
彼女は、微笑んだだけだった。
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