怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
「うん、この肉じゃが最高にうまいな」

当直明けだった相良さんは、午前中で仕事を終わらせ午後から休みだった。といっても、最近は論文の作成などほかにもやることは山ほどあるようで、唯一彼が自由に息抜きできるのは私との夕食時間くらいだ。

「気に入ってもらってよかったです。たくさん作ったんでどんどん食べてくださいね」

「ああ、サンキュ。肉じゃがって必ず男が彼女、妻に作ってもらいたい和食ランキング上位だよな。わかる気がする」

相良さんは味の染みたホクホクのじゃがいもをお箸でひとつまみすると、ぱくりと口に運んで幸せそうな顔をする。その彼の表情を見ているだけで私も温かな気持ちになれる。

相良さんと一緒に夕食ができるのは週に三回ほど。ほかは宿直などの仕事のため、そのときはお弁当を作って渡している。それ以来、相良さんが料理をまったくしないことを知っている看護師たちが『その手作りのお弁当どうしたんですか?』『やだ! 相良先生、まさか彼女できたんですか?』なんて色めき立ち、質問責めにあっているという。
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