エリート外科医と再会したら、溺愛が始まりました。私、あなたにフラれましたよね?
「友梨佳先生、もしかしてずっと私に付き添ってくれたんですか?」

「ずっとって言っても、あなたが倒れてから一時間くらいよ。そんな長い間じゃないわ」

倒れた? そうだ、私、仕事を早退して帰ろうとしたら友梨佳先生に偶然会って、それから気分が悪くなって……。
友梨佳先生に言われて記憶を思い巡らせていたら、友梨佳先生が綺麗に整った眉を歪めた。

「ここの病院に知り合いの内科医がいるの、ただの貧血だそうよ。まったくいきなり目の前で倒れたからびっくりしたじゃない」

「すみません……」

私が気を失っている間、友梨佳先生にどんな迷惑をかけたかわからない。彼女も仕事で忙しいのに、こうして私に付き添ってくれているのが意外だった。

「ところで、聞きたいことがあるんだけど」

「はい」

友梨佳先生が急に改まる。今はまだ頭がうまく働かなくてぼーっとしている。うっかり口を滑らせて余計な事を言ってしまうかもしれない。

「今月の生理は?」

「え?」
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