エリート外科医と再会したら、溺愛が始まりました。私、あなたにフラれましたよね?
どうしてこの病院にいるのかとか、なぜ突然メルディーを辞めたのかなどを聞かれるかと思いきや、彼女の質問はまったく別の方向から飛んできた。おそらく、検査上貧血以外の異常は認められなかったのだろう。だからほかに考えられる可能性として、友梨佳先生は妊娠を疑っているのだ。

嘘や誤魔化し言っても仕方ないよね。

「実は、先月から来てなくて……」

「検査はしてみたの?」

聖一さんとのことで色々あったから……と言ったら言い訳だけど、生理が遅れていることに気づいてから約二ヵ月が経とうとしていた。

「いいえ、私がただ勘違いしているだけと思って――」

「聖一との子よね?」

「もし、妊娠していたら……そうです」

それを聞いて友梨佳先生が腕を組んでしばらく考え込む。そしてパッと視線をあげて口を開いた。
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