怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
彼はアメリカにいるはずだ。声なんか聞こえるわけがない。きっと会いたい気持ちが募りすぎてついに幻聴となって表れたのだろう。
疲れてるのかな、帰ろう。
踵を返して歩き出そうとしたそのとき。
「真希」
不意に大きな影に覆われて、私の目の前に誰かが立ちはだかる。自分の名前を呼ばれ、ハッとして視線を跳ね上げた。そこに立っていたのは――。
「やっと見つけた」
私の前でほっとしたように眉尻を下げ、にこやかに笑っている人物が信じられなくて何度も目を瞬かせ目を丸くする。呼吸することさえ忘れて時が止まったかのように思えた。
「せ、いち……さん?」
いるはずもない人が今、私の前に立っている。夢なのか現実なのかさえもわからないまま、その人は私をふわりと抱きしめた。すると涙が私の目からパッと散る。
「すまない、つらい思いをさせた」
喉から絞り出すような声は少し震えていて、吐息が私の耳朶をかすめるとようやく彼と目が合った。
「泣くな、もう大丈夫だから」
じわじわと自分の身に起こっていることを頭の中で処理し始めたら、やっぱり目の前にいるのは紛れもなく聖一さんだと理解することができた。
「聖一さん、どうしてここに? アメリカにいるんじゃ……」
疲れてるのかな、帰ろう。
踵を返して歩き出そうとしたそのとき。
「真希」
不意に大きな影に覆われて、私の目の前に誰かが立ちはだかる。自分の名前を呼ばれ、ハッとして視線を跳ね上げた。そこに立っていたのは――。
「やっと見つけた」
私の前でほっとしたように眉尻を下げ、にこやかに笑っている人物が信じられなくて何度も目を瞬かせ目を丸くする。呼吸することさえ忘れて時が止まったかのように思えた。
「せ、いち……さん?」
いるはずもない人が今、私の前に立っている。夢なのか現実なのかさえもわからないまま、その人は私をふわりと抱きしめた。すると涙が私の目からパッと散る。
「すまない、つらい思いをさせた」
喉から絞り出すような声は少し震えていて、吐息が私の耳朶をかすめるとようやく彼と目が合った。
「泣くな、もう大丈夫だから」
じわじわと自分の身に起こっていることを頭の中で処理し始めたら、やっぱり目の前にいるのは紛れもなく聖一さんだと理解することができた。
「聖一さん、どうしてここに? アメリカにいるんじゃ……」