怜悧な外科医の愛は、激甘につき。~でも私、あなたにフラれましたよね?~
一緒に住もうと言われて嬉しいのは確かだ。

恋愛は勢いだというけれど、なにもかも一気にトントン進み過ぎて少し混乱気味になってしまう。

本当に、本当に相良さんはそれでいいのかな?

もっと恋愛経験豊富だったら、こういう場合もっとスマートに返事ができるんだろうけど。

結婚を前提にと言われれば、なおさら私でいいのかと躊躇してしまう。

「別に返事は急がない。お前にも心の準備ってものがあるからな。気持ちが通じ合っていれば俺はいくらでも待つよ」

相良さんは私の唇に掠めるようなキスをしてニコリと笑うと、あぁ、やっぱりこれは夢じゃないんだと思えた。

「好きだよ、真希」

蕩けるような甘い言葉を囁いて、もう一度私にキスをした――。


私、ついに相良さんと両想いになって……しちゃったんだ。

あぁ、どうしよう。私の気持ちなんてもう届かないって、ずっとそう思っていたのに。

「真希、真希ってば」

「え? あ、うん」

ハッと我に返ると、やきとりを口にしながら「もう、話聞いてる?」と、口をへの字に歪めた由美と目が合った。
相良さんと結ばれた翌日の夜、由美からメールで飲みに誘われた。

今夜は相良さんの食事作りはお休みをして、やって来たのは新宿駅南口近くにあるごくごく普通の居酒屋だった。平日の夜でも結構なお客さんが入っていて、店が狭いせいかガヤガヤと騒々しい。

由美がテーブルに頬杖をついて、「どうしたの?」という言葉にフルフルと首を振ってビールに口をつけた。
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