気づいたらそこは沼だった
ネイルや服が黒を使っているのでメイクもバランスを考え淡い色より濃いめの色を使い、最後は紫と赤が混ざったような絶妙な色の赤リップを付けて完成。髪型は毛先から緩く巻いて大人な雰囲気を出し、着替えれば完成。

「うん、完璧。」

姿鏡に映し出される自分を入念にチェックし、気になる点などを細かく修正し、やっとツバサの前に立てる女になれた。

「あーいよいよだ…緊張する…」

プレゼントをクローゼットから取りだし、カバンの中身をチェックしていたらこの後ツバサに会える事を急に実感しだし、ドキドキと心臓が騒ぎだす。そこでピロンと携帯の通知音が鳴り確認すると

「いよいよ今日だね!気持ちぶつけておいで!」

「楽しんできてね!またお話聞かせてね!」

チナツとミユキからグループトークにメッセージが入り、その後送られてきた面白スタンプに一気に体の緊張が解ける。

「笑かしてくれてありがとう。行ってきます!!」

2人にはイベントの整理券が取れた事を報告しており、その時は一緒に喜んでくれた。なので緊張している私を見据えてかメッセージを送ってきてくれたのだろう。2人の優しさに心が温まりながらもう一度身だしなみチェックと忘れ物がないかチェックをし、時計を確認するとそろそろ出てもいい時間なので家を出よう。

「行ってきます」

と呟いてツバサの元に向かった。
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