可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
***
「冷えてるな。氷みたいに冷たい」
玄関に入ったとたん、彼はわたしを壁際に押し付け、頬に唇を寄せて、そう囁いた。
そのまま、唇は首筋をたどり、脚でわたしの浴衣の裾を割ってきた。
「なんでこんなにすぐ、郁美が欲しくなるんだろう」
耳元で熱い吐息をつき、手はわたしの胸を弄ってくる。
それだけで、わたしの息も上がり、吐息を漏らしてしまう。
手が脚のあいだに滑りこみ、太ももを撫で上げてくる。
その手も冷えていて、わたしはびくっと身体を震わせた。
手はさらに奥まで侵入し、指が身体の中心を探りだす。
「あん……」
そんなことをされたら立っていられなくなって、わたしはたまらず彼の背にすがった。
「嬉しいな。郁美も……こんなに俺を欲しがってる」
耳元でそう囁かれたわたしは、機械仕掛けの人形のように頷いた。
そう、一秒でも早く、彼とひとつになりたかった。