可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
「昨日、流れ星に願おうと思ったこと、もう叶った」
「なんて、願おうとしたんだ?」

「今、隣にいる人とずっと一緒にいられますように」
 わたしは彼の目をまっすぐ見つめかえした。

 彼は優しく目を細め、指の背でわたしの頬を愛おしげに撫でた。

「良かった。郁美のおかげでこの後のめちゃくちゃなスケジュールも耐えられそうだよ。断られたら悲惨だったけど」

「断るわけ、ないのに」
 彼は微笑み、わたしの手の甲にそっと口づけた。
 まるで貴婦人に誓いを立てる騎士のように。

 永遠に一緒にいたかったけれど、別れのときがやってきた。

 彼の事務所に着くと、さっとかすめるようなキスをして、車から降りていった。
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