可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 うちの両親は昔からそうだった。
 幼いころから、頭ごなしに「だめだ」と言われたことは一度もなかった。

 中学になったころから、その傾向はさらに顕著になって、郁美がよく考えた結果なら、お父さんもお母さんも反対はしないからと、言われて育ってきた。

 とはいえ、結婚は個人だけの問題ではないので、さすがに、なんで相談しなかったのと言われるかと思っていたのだけれど。

 両親が盲目的ともいえる信頼を寄せてくれたことで、わたしは10代前半から自分の行動に責任を持つことを覚えた。

 進学や就職など、大きな節目の決断は、すべて自分でしてきた。
 
 両親は、わたしにひとりで生きていく力を与えてくれた。
 けれど、その反動なのか、人に甘えることがとても苦手になった。

 学生時代も就職してからも、〝可愛げのない女〟と言われつづけてきた。

 元カレたちは全員、揃いも揃って、守ってあげたくなるような可愛いタイプの女性と浮気して、わたしから離れていった。

「郁美は俺がいなくてもひとりで生きていけるだろう」と捨て台詞を残して。
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