可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜

***

「いやー、兄貴と橋本さん、相変わらずの熱々で。ごちそうさまっす」
 楽屋を後にして、廊下を歩きながら、亮介さんがわたしをからかう。

「でも、素敵ですね。お互い、自分の気持ちを素直に表せる関係って」
 植田さんが微笑む。

「俺も奈月にいつも気持ちを伝えてると思うけど、まだ足りない?」と亮介さん。

「そんなこと、ないよ」と恥ずかしそうに俯く植田さん。

 いやいや、こちらもわたしたちに負けず劣らず、熱々だ。

 彼らに食事に誘われたけれど、わたしは遠慮して、ホールの前で別れた。
 明日は休日なので、彼らはこれからホテルで一泊するそうだ。

 誰にもはばからずにデートできるふたりがちょっとうらやましかったけれど。

 でも、わたしだって、明日は宗介と一日中、一緒にいられる。

 そうだ、舞台成功のお祝いに、お花とシャンパンを買って帰らなきゃ。

 わたしは軽い足取りで、駅に向かった。
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