可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
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「ですので、先ほどから、確実に効率が上がる、と申し上げているのですが」
「だからさぁ」と、50代後半と思しき工場長は業を煮やして声を荒げた。
「他所から来た素人の姉ちゃんに、なんで偉そうに指図されなきゃならないんだよ」
外は梅雨末期の荒れた天気。
その天気同様、質疑応答での現場リーダーたちからの、わたしへの風当たりは、相当激しいものだった。
北斗繊維創業時から存在していた部門を廃止し、新素材開発やリサイクル事業に注力していくべきだとの基本方針を発表したとたん、あちこちから非難の声があがった。
まあ、この反応は実は想定の範囲内。
逆に思い通りに事が進みそうで、内心ほっとしていた。
「来週、第二回目の説明会を開きますので、ご意見をまとめておいていただけると助かります」
わたしはそう言って、その場を離れた。