可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
「頭の固い、古い体質の従業員ばかりで申し訳ないです」

 説明会を終えて社長室に引き上げてから、星川社長がわたしに頭を下げた。

 星川社長は創業者のひ孫で弱冠38歳。

 重い病気を抱えた父親の退任を機に、社長の座についた。

 その若さへの懸念で社長選出時の取締役会も紛糾して、辛くも一票差で決まったらしい。

 そんなわけで、現社長はまだ全社員からの信頼を完全に勝ち得るまでには至っていなかった。

「各部門、特に廃止を提案した部門のリーダーからの反発は予想していたことですから。次の説明会の日まで、社長はなるべく皆さんの不平不満に耳を傾けておいてください。そして、自分がなんとかする、と彼らに伝えておいてください」

「で、今後は」

「前回お話ししました代案を社長のご英断という形で、社員の皆さまにお伝えします」

 代案というか、実はこっちが本当のプラン。
 部門縮小を含むのでかなり厳しいものだけれど、全面廃止よりはだいぶ耳障りがいいはず。
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