可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
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ビルの最上階でエレベーターを降り、ドキドキしながら、指定されたスペインバルを目指す。
店員に案内され、彼が待つ部屋へ。
ドアを開けると、先に来ていた宗介さんが立ちあがってわたしを出迎えた。
これまでは、どちらかといえばラフな格好が多かったけれど、今日はめずらしくスーツ姿だった。
夏らしいベージュ色の麻の上下、髪型もスッキリ短めにカットされている。
……こんなにカッコ良かったんだっけ、宗介さん。
会うのが久しぶりだったこともあって、さっきから胸の高鳴りが収まらない。
それくらい、ひと月ぶりの宗介さんは煌めいていてまぶしかった。
彼はわたしの前に立ち、微笑む。
そして……
「久しぶりだな。会いたかったよ」と痺れるような低音ボイスで囁いた。
そんな声音で、そんな甘い言葉を吐かれたら反則だ。
くらくらして倒れてしまうかと思った。
「橋本さんは? 俺に会いたかった?」
唐突にそんなことをストレートに訊かれて、わたしはどう答えたらいいのかわからずに俯いて「えーと」と口ごもってしまった。
そんなわたしを宗介さんは余裕の笑みで見下ろしている。