可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 でも……
 もうここで断って帰るには、宗介さんを好きになりすぎていた。

 たとえ一晩だけでも構わない。
 たとえ、それでぼろぼろに傷つくことになったとしても。

 そのぐらい、わたしも切羽詰まった気持ちだった。

「わたしも一緒にいたい、あなたと」
「郁美……」

 そう答えると、彼はわたしを抱きすくめ、さっきとはくらべものにならないほど濃密に唇を重ねた。
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