可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜


 少し、気を失っていたのかもしれない。

 気づいたときには、彼の腕にくるまれ、髪を優しく撫でられていた。

「思ったとおりだ」
 彼がぼそっと呟く。

「宗介さん……」
「これほど身体も心もぴったりな相手ははじめてだ。俺たちは会うべくして会ったんだよ」

「わたしも……同じこと考えてました」
 
 嘘ではなかった。
 本当に同じことを思っていた。

 はじめて身体を重ねたのに、今までの恋人とは到達できなかった高みに、宗介さんはいともあっさりと連れていってくれた。
 
 どんなことをされても、嫌じゃなかった。
 いや、それどころか……もっともっとして欲しかった。

 彼はわたしの頬に触れ、輪郭に沿って優しく撫でる。
 そして、薬指で唇に触れてそのままなぞる。
 くすぐったくて、いやいやするように顔を振ると逆に顎を捉えられ、唇が重ねられた。

 くすぶっていた身体の奥が、また熱を持つ。

 唇を離して、至近距離のままで見つめる彼。

「もう、何があっても離さない。ずっと俺のそばにいて……郁美」
 
 もう一度、深い口づけを交わし、そして……

 滴る密のようにねっとりと甘い声で「また、欲しくなってきた」と言われ、わたしはその背に腕を回した……
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