可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
「ふーん」

 すると彼は一度、わたしの身体を放し、こっちに向き直ると両手でわたしの頬を挟んできた。
 切長で美しい琥珀色の眼が、愉快そうに細まった。

 その、宗介さんの表情ひとつで、部屋の空気が、一瞬で濃密で甘く淫らなものに変化する。

「その、気の強いとこ。本当、たまんない」
 そう言うと、片手を顎に滑らせて上を向かせて、唇を重ねてきた。

 それはそれは、長い長い間、彼はわたしの唇を貪った。

 舌を絡めて強く吸ったり、口の中を余すところなく探られたり。

 さらに不埒な手に、服の上から胸の頂を執拗に(まさぐ)られ……

 その焦ったい刺激に身体の奥が疼く。

 耐えられなくなってきて、わたしは彼の首に腕を回して、縋りついていた。

「したくなった? 俺も」
 耳元で濡れた声で囁かれ、わたしは小さな声で「うん」と答え、頷いた。
< 79 / 185 >

この作品をシェア

pagetop