可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 わたしをベッドに横たえるとすぐ、彼も上がってきた。
 ベッドがかすかに軋む。

「食事してからにしようと思っていたけど、無理だったな。もう我慢の限界だ」

 あっという間にバスローブと下着を脱がされ、彼は口づけをしながら自分の衣服も脱ぎ去った。

 性急に身体を重ねてくる彼の重みを受けとめ、ふたたび噛みつくような激しい口づけを受けながら、わたしも彼とふたりで織りなす陶酔の(とき)に身を沈めていった。

***

 夕食も期待にたがわず、素晴らしいものだった。

 海が近い土地なので、刺身が絶品。
 どの魚も身がしまっていて、甘味がある。
 仲居さんおすすめのお酒がまた、料理にぴったりで何度かおかわりした。

 こんな、落ち着いた空間で、浴衣姿の宗介さんと差し向かいでお酒を()みかわしている。

 そのことが、また食事を何倍も美味しいものにしてくれているような気がする。

 しかも、この後、別々の家に帰るのではなく、一晩中、一緒にいられると思うと、いっそう幸せな気分になる。
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