もっと求めて、欲しがって、お嬢様。




「碇っ、ひどいわ…!」


「えっ、ちょっ、泣かないでください理沙お嬢様……!」


「じゃあここに来てっ!」


「いやっ、それは今は…っ!今は駄目なんです…っ、理沙お嬢様があんなこと言うからさっきから大変なんですよ俺は…!せっかく収まったのに…!!」


「なによそれっ!私のせいって言うの…!?」


「あーーーっ!!冷水を全身に浴びてきます!!!」



冷水…!?

いま何月だと思ってるの…!!



「バカじゃないのっ!死んじゃうわよ…!!」


「それくらいしないと無理なんです…っ!!えいえいおーで行ってきます…!!」


「ちょっ、待ちなさいよ碇…っ!!今日からずっと一緒に寝るんだからねっ!!」


「っ、どうしてそんなに俺を煽るんですか…!ほんと限界でやばいんです…!!
俺という俺がどうなってもいいんですか!?」


「そっ、そんなのダメに決まってるじゃない…!俺という俺ってなによ…!」


「そうでしょう!?ああああ…っ、やっぱ俺は男としてもDランクですぅぅぅ!!!」



たとえDランク(仮Sランク)になっても。

一般的なお嬢様と執事との関係ではなくなったとしても。


なーんにも変わらない碇がここにいる。



「……ふっ、あははっ!もうっ、ほんっとにバカね!」



でもこれが、

私が求めて、欲しがった、幸せ。



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