このキョーダイ、じつはワケありでして。
「その写真、気に入ったんですか?」
「え?ああ、うん。…いい写真だなって」
さっきの虫かごのやつ。
似てないよ、顔はぜんぜん。
でもしっかり繋がれた手に、どこを見て笑っているのか分からない小学生と、大泣きの小さな女の子。
「まさに…キョーダイって感じ」
やっぱりそれくらいしないと“きょうだい”にはなれないってことなのかな。
たとえ血が繋がっていなかったとしても、こうしてしっかり手をつないで、両親が居なくなってもずっと一緒にいるくらいの覚悟じゃないと。
それほどの偉大な愛情がなければ、ほんとうの家族にはなれないのだろうか。
「今日はありがとう慶音。楽しかったよ」
「…どうも」
「おい慶音。せっかく来てくれた友達に“どうも”はないでしょ」
「……友達じゃないもん」
こつんっと、兄から可愛らしく叱られた妹。
ふて腐れながらもどこか嬉しそうだった。