このキョーダイ、じつはワケありでして。




『つーかキャラ弁とかレベル高すぎじゃね…?そういや成海くんと関わった女はよく“手だけで満足させられる”とか言ってたっけ…、手先が器用なんだなあ』


『……あのさあ。おまえは早朝6時からド下ネタぶっこんで何がしたいの?』


『へっ!?いやそんなつもりは…!!でもほんとすげーなって、マジ尊敬するぜ成海くん』


『…もっとすごいよ。たぶん周りは』



向かい側に住む咲良ちゃんのお母さんからは『慶音ちゃんの分も作ろうか?』と、快く言われたけど。

もちろん断ったのは俺。



『成海くん成海くん、こんな感じであってる…?』


『雑すぎ。曲がってんじゃん、やり直し』


『ええっ!?』



本当ならこうして朝からバタバタとキッチンに立つのは母さんの役目だった。


どの家庭のお母さんだってそう。

今日は自分の子供が主役だけど、お母さんも陰では主役だろう。


子供の気合いが入るように&応援に行く家族たちのお昼ご飯を大きな重箱に詰める。



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