このキョーダイ、じつはワケありでして。
『…それは嘘じゃねえよ成海くん。もしその日がいつか来たとしても…四宮兄妹が切れるわけねえって。ぜったい受け入れてくれるに決まってる』
『…………』
『そのために俺は今も動画回してるんだ。そのときが来たら…ふたりが笑って思い出を振り返られるように』
もし生まれ変わったとしても俺はまたあいつと兄妹になりたいと思う。
たとえそのときも義理だろうが義理じゃなかろうが、俺たちにとっては大した問題じゃない。
ただ次こそは、母さんも父さんもいるなかで今みたいな兄妹をしたいと望むくらいだ。
ねえ慶ちゃん。
これが兄ちゃんの愛ってやつだよ。
『はあ。テツが女だったら、俺ぜったいおまえと結婚すんのにね』
『えっ…。………きっもちわりぃ!!!』
『俺のほうが吐きそう』
俺たちは“血の繋がり”というものだけで見たら、お互いに天涯孤独の身。
ただ他人同士が一緒にいて、一緒に暮らして、“家族ごっこ”をしているだけ。
でも、だからこそ、お互いに手をつなぎ合える関係なんだ。