このキョーダイ、じつはワケありでして。




“ルルタウン”とは、私と兄ちゃんがいつも行っている近所のスーパーのこと。


食品売り場、ドラッグストア、日用雑貨に100円ショップ、そこまで大型ではないのにある程度揃っているから兄も気に入っているところだ。

その道路を挟んだ向かい側、こじんまりとした小さなクリーニング屋さんのことを兄は言っているはず。



「俺よくおまえの胴着、クリーニングしてもらいに行くんだけどさ」


「…うん」



とくに利用したことはないが、外に飾られた花壇が印象的なお店だった。


店主さんの趣味なのだろう。

お花屋さんに間違えてしまうくらい、小規模ながらにもガーデニングが本格的でびっくりする。



「あそこの店員さんね。んー…、兄ちゃんのタイプってあんな感じ」


「……えっ。あのおばさん…?兄ちゃんの趣味……すっご」


「ちがういい加減にしろそれは。いやいい加減にしろってのは、そのおばさんに失礼だけど。…その人の娘さんらしきお姉さんのことだよ」



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