このキョーダイ、じつはワケありでして。
「まさか期待のホープと言われていた彼女が四宮くんの妹さんだったとは…!おなじ苗字で彼女もかなり素質があると感じてはいたが……本当に兄妹だったとは驚いたよ」
「強いですよ、俺の妹は」
「よしっ!じゃあ天瀬の相手は四宮!」
流れ的にそうなるだろうなとは思ってたけど。
いつも私の試合を観たあとは必ず「まだまだ惜しい」なんて厳しいことばっかで認めてくれないのに…。
最高か、私の兄ちゃんは。
「ごめん四宮。成海さんの前だから俺、手加減とかしない」
「…誰もしてなんて言ってないよ、天瀬」
防具があるほうが邪魔だ。
ここは私もいつもどおり外して試合をしたかったが、そういうわけにはいかないらしい。
私だって手加減なんかするつもりもなければ、負ける気もなかった。
お互い四宮 成海には格好いいところを見せたい私たちだ。
「がんばれ慶音。今あるチカラを発揮、ね」
こくっと、気合いを込めて返事。