婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました
「そうやって人の良いところを見たり、真っ直ぐに信じられるところ、ポラリスの良いところだと思う。だからこそ、裏切られて傷ついたんだろうけど、俺はポラリスにはこのままでいてほしい」


 その時、バベル様は本気で、わたしのことを想ってくれていたんだって分かった。傷ついた心が癒されていく。目に滲んだ涙を、バベル様がそっと拭ってくれた。


「あの……今はまだ、わたしはバベル様のお気持ちに応えることができません」

「うん。分かってる」


 王位継承権を剥奪されるシリウス殿下と、わたしはもう一度向き合う必要がある。今日のことを思えば少し怖いけれど、彼との関係をきちんと清算しなければならない。


(スピカはこれからも殿下の側に居続けるのかな?)


 その辺は、わたしにはよく分からない。
 けれど、動機はどうあれ、スピカはわたしにとって大事な友人だった。そんな彼女が友情よりも愛情を取ったのだ。これからもそれを貫いて欲しいなんて、身勝手なことを思う。


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