【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
『リィナ? どうし――』
「よぉ迅」

 すぐ近くで話しているからスマホの向こう側の迅の声も聞こえた。

「お前の大事な女は貰ってくぜ。返してほしけりゃ一人で俺たちの倉庫に来い」
『……三谷か?』

「ああそうだよ。場所は知ってるよな? 待ってるぜ?」
『おい! リィナは無事――』

 そこで通話は切られてしまう。

「さてと、先に行って歓迎の準備をしとかないとなぁ?」

 三谷はそう言って、ニタリとあくどい笑みであたしを見下ろしていた。
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