【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。
 ただ、迅はさっきちょっとイイのを食らっていた。
 大丈夫だろうか?

「迅、まだまだいける?」
「余裕だな。リィナ、お前は?」

 ほとんどの攻撃を急所から逸らしていたからだろうか。
 迅は本当に余裕そうな笑みを浮かべている。

「もちろんいけるよ。迅くらい強いのがいたらきついかもだけど」

 あたしの言葉に迅はフッと笑って頭にポンと手を乗せた。

「じゃあ大丈夫だな。少なくとも今来ている顔ぶれで苦戦したことのあるやつはいねぇからな」

 “負けたことのあるやつ”じゃなくて“苦戦したことのあるやつ”なんだ。

「ははっ苦戦すらしないならあたしも余裕かも」

「ったく……本当にカッコよくて可愛いな、リィナは」

 愛し気に目を細めた迅は、チュッと軽くキスをしてきた。


「さっさと終わらせて、続きしような?」
「ん、そうだね」

「――っ! だ、からてめぇらはぁ‼」

 怒りが頂点に達したような三谷は顔を真っ赤にしている。

 これ、噴火して何か飛び出してきちゃうんじゃないの?

 そう思うくらいの怒り様だった。
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